羽根英樹
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通信講座『イベント投資倶楽部』主宰。 兼業投資家。投資歴30年以上。現在は株の売買をメインに、年2〜3割のペースで資産を増やし現在の運用資産は数億円となる。 1993年からコモディティ市場でサヤ取りを始める。コモディティの出来高が減ってからは、サヤ取りの技術を応用し、リスク管理を徹底したトレードを実践している。現在はイベントトレードをメインに売買し着実に利益を積み重ね過去十年以上年間プラスを維持し続けている。 サヤ取りの秘密を暴露しすぎと一部の投資家から怒られた話題の本『サヤ取り入門』のリニューアル版『サヤ取り入門 [増補版] 』は、発売以来ベストヒットを続けている。そのほか、著書に『マンガ サヤ取り入門の入門』、『マンガ 商品先物取引入門の入門』、『イベントドリブントレード入門』(全てパンローリング)などがある。
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『羽根英樹のイベントドリブントレードブログ』
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年末アノマリー その1 11月27日
11月の中旬から年末にかけては、TOPIXと日経225のサヤが広がる(日経225からTOPIXを引いた差が大きくなる)というアノマリーがあります。これは、これまで投資戦略フェアなどの講演で何度も紹介してきた、日経225とTOPIXのサヤ取りで使えるアノマリーです。今回はこのアノマリーについて考察します。もともとこの時期は相場全体が上昇する時期としても知られています。それでもTOPIXより日経225のほうが上昇するために、サヤが拡大するというのがこのアノマリーの実態です。
したがってわざわざ、「TOPIX売り-日経225買い」のポジションを作らなくても、日経225だけ買えば良いのでは?という疑問も出てくるかと思います。確かに「TOPIX売り-日経225買い」はサヤ取りではありますが、日経225の買いをTOPIXの売りでヘッジしているポジションでもあります。安全性を求めるならサヤ取りで良いし、単純なポジションで利益を得たいというのであれば、日経225を買えば良いでしょう。
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寄り値と引け値の謎のアノマリーその4 11月25日
アノマリーの正体
オーバーナイトアノマリーの原因については定説がない事を前回述べました。しかしながらヒントがあれば何か役立つかもしれないので考察してみることにします。パンローリング本ではお馴染みのラリー・ウィリアムズは、寄りと引けについて、売買参加者に違いがあるということを述べています。曰く、寄りの参加者はビギナー(初心者)で、引けの参加者はスマートトレーダー(賢い投資家)という分類をしています。ラリーが考案したインジケータの中にはこうした参加者の違いを数値化したものがあるようです。
この考え方をオーバーナイトアノマリーに当てはめてみると、初心者は寄り付近で高く買い、ベテランは引け付近で安く買う。あるいは、ベテランは寄り付近で高値で売り、初心者は引け付近で安値で投げてしまう。といったところでしょうか?この仮説が当たっているかどうかを検証するのは難しいかもしれませんが、読者の方でこれはという意見や考察があれば是非教えてください。
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寄り値と引け値の謎のアノマリーその3 11月18日
オーバーナイトアノマリーが何故発生するのかについては定説がありません。よく言われているのが、アメリカのマーケットの影響を受けているのではないかという話です。しかしこれは明確に否定できます。何故ならS&P500などのアメリカの指数でもオーバーナイトアノマリーが見られるからです。日本の夜間の上げが原因なら、アメリカ市場は、寄り底、引け天の傾向がなければならないはずですが、そうでないということは、海外市場の影響ではないという事になります。
ところで「ローソク足パターンの傾向分析」のデータは日足データを使用しています。ですからそれより小さい時間軸で見た場合に寄り天、引け底なのかは不明です。一般的に個別銘柄のティックデータや分足データを集めることは大変で、膨大なデータと格闘する必要があります。そこで比較的入手しやすい先物データを使って、どこに天井や底があるのかを検証した事があります。その結果は、天井が9時半付近。底が13時半付近というもので、必ずしも寄りと大引けに天底があるわけではない事が判りました。もちろんこの結果は検証期間の取り方でずれてくるので、あくまで検証した時点での結果という事に留意してください。
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寄り値と引け値の謎のアノマリー その2 11月09日
このアノマリーを取り入れているトレーダーといえばYさんという親しい友人がいました。非常に残念なことに数年前Yさんは不慮の事故で亡くなったのですが、Yさんは黎明期のシステムトレーダーでかのラリー・ウィリアムズからも「ミスターメカニカルトレーダー」と呼ばれるほどの凄腕で、ほぼシステムトレードだけで都内の高級住宅地に一軒家を建てるほどの資産を築いた人です。彼のシステムが公開されることはありませんでしたが、生前の言動などから、オーバーナイトアノマリーを使っていた事はほぼ間違いないと思います。
このアノマリーでは、一回ごとのトレードでは、さほど大きな値幅は取れませんが、試行回数を増やすと大きなエッジになります。私がこのアノマリーに気づいたのは2010年頃、検証結果の中で見つけたのですが恐らくYさんはもっと早くから見つけていて、自動発注などを駆使して試行回数を増やしていたと思われます。もちろん単純に、寄り売り、引け買いを繰り返していたのではなく、最適化やフィルタを使い、さらに別の戦略を加えることで資産を増やしていったのではないかと思います。
Yさんが今も生きていれば聞きたい事がたくさんあったのですが本当に残念でなりません。毎年春の投資戦略フェアの翌日はYさんのお墓参りの日と決めています。
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寄り値と引け値の謎のアノマリー その1 11月04日
一般の投資家にはあまり話題になりませんが、寄りと引けの間にはかなり屈強なアノマリーが存在します。
個人でも一部のシステムトレーダーの界隈ではよく知られている事です。それは株価の傾向として、「寄り高、引け安」になりやすいという非常に単純なアノマリーです。パンローリングの書籍で「ローソク足パターンの傾向分析」というのがあります。この本はいわばデータ集で、過去の個別株の全ての日足データから、ローソク足のパターン。例えば、明けの明星とか三空たたき込みとかいういわゆる酒田五法をデータとして解析するというかなりマニアックなシステムトレーダー寄りの本です。今回はこのローソク足のパターンは問題にせず、それは別の機会にお話するとします。この本にアノマリーの事がかかれているわけではありませんが、全ての基礎データとして全銘柄の日足の平均データが載っていて、それをバブル期間(1983-1989年)、崩壊期間(1990-1992年)、もみ合い期間(1993-1999年)、暴落期間(2000-2002年)、暴騰期間(2003-2006年)、金融危機期間(2007-2009年)の各期間に分けてデータが載っています。驚くべき事に、全ての期間で日足は陰線になっているのです。それはバブル期間や暴騰期間であっても陰線です。当然これらの期間は全体として株価は上がっているのですが、日足でみると陰線を引いている。
ではどこで上げているのかといえば、オーバーナイトで上がっている。つまり寄り→引けで下げて、引け→寄りでは上がっているという傾向があるのです。これをオーバーナイトアノマリーと呼ぶ人もいます。この現象を利用することで長期間にわたって優位性のある売買が可能ですし実際にシステムトレードの一部として取り入れているトレーダーもいます。
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投資戦略フェア2024大阪 ご来場御礼 11月01日
投資戦略フェア2024大阪にお越しいただきましてありがとうございました。
朝イチ&TOBというマニアックな内容にもかかわらず、多くの人に受講いただきました。
以前よりTOBというイベントに興味を持っていただいている方が随分増えたように感じます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
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買収のルール策定 TOBに大きな影響 01月08日
昨年8月に経済産業省から、「企業買収における行動指針」が発表されました。
これまでも、企業買収に関しては過去にも「公正なM&Aの在り方に関する指針」などで
触れていましたが、今回は買収防衛策に対してかなり深く突っ込んだ内容になっています。経済産業省で公開されていますのでTOBに興味にある方は一度目を通してみることをお勧めします。
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831003/20230831003.html
法律の専門雑誌、「ジュリスト」の最新号2024年1月号の特集が、企業買収に関する新たな規律――「企業買収における行動指針」の意義という記事です。これで先に述べた「企業買収における行動指針」を受けて法律の専門家の界隈から、どのように受け止められているかがわかります。
こちらも興味のある方は読んでいただきたいのですが、概ね、買収側やアクティビストに対して好意的で、今回の指針が、買収のルールとして定着することで、日本の資本の流動性が上がることを歓迎しているようです。
このような流れから、今後は安易に買収防衛策は策定されにくくなるし、買収=悪 のイメージ改善になるように思います。今後、同意なき買収「以前の言い方では敵対的買収」も増える可能性がありますし、TOB合戦も期待できるのではないかと思います。
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2024年 新年あけましておめでとうございます。 01月01日
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
今年は昨年にも増してTOB、MBOが増えそうです。
イベントドリブントレード、イベント投資の中でTOBのウエイトが増々高まっています。
東証のPBR1.0倍維持の要請、親子上場へのけん制、そして東証の各市場の上場維持要件。これらが複合してTOBへの動機づけとなります。
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