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足立武志


公認会計士、税理士、ファイナンシャル・プランナー(AFP)
株式会社マーケットチェカー取締役 1975年生まれ 神奈川県出身
一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士として、執筆活 動、セミナー講師等を通じ、個人投資家が資産運用で成功するために必要な知識や情 報の提供に努めている。主な著書に、『知識ゼロからの経営分析入門』(幻冬舎)ほか多数

足立武志の「中長期投資家のための“超・実践的”ヒント集」

コラム連載のお知らせ

10月19日
楽天証券にて、コラム「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」の連載を開始しました。

このコラムでは、株式投資がなかなかうまくいかない、という個人投資家の皆様を対象とし、教科書的な内容ではなく、実践に裏打ちされ、導き出された「すぐに役立つ真の基礎知識」をご紹介します。個人投資家が負けない、失敗しないためにはどのように行動すればよいのか、そのためのヒントを提供していきます。皆様の「株式投資」に対する見方、考え方に何か新しい発見があるかもしれません。ぜひご覧ください。

下記URL、もしくは楽天証券トップページよりご覧下さい。

https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/opinion/adachi/
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「ユニクロ」に支えられた日経平均株価

10月19日
先週末(10/16)の日経平均株価の終値は10,257円56銭。一時期崩れかけたかにみえた日経平均株価ですが、世界中の株高傾向もあって、持ち直しの動きを見せています。

さて、ここ最近目を見張るのが「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)の暴騰ぶりです。10月16日の終値は15,320円と、1ヶ月前の9月16日終値10,620円から44%もの上昇となっています。

実は、このファーストリテイリングの上昇が日経平均株価に大きなプラス要因となっているのです。ファーストリテイリングの1ヶ月の上昇幅は4,700円。これを日経平均株価の除数24.656で割ると、190円62銭と計算されます。つまり、ファーストリテイリングの1ヶ月の上げ幅で、日経平均株価は190円かさ上げされているのです。
日経平均株価の1ヶ月前(9月16日)の終値は10,270円77銭と、10月16日の終値とほぼ同じですが、ファーストリテイリングの上昇がなければ、10月16日の終値は10,066円程度にとどまっていたのです。

日経平均株価は225銘柄の単純平均ですから、株価の高い銘柄の値動きに大きく左右されます。
現在、日経平均株価の構成割合が大きいのはダントツでファーストリテイリングです(1銘柄だけで約6%!)。それ以外に、構成割合の高い銘柄としては信越化学工業、テルモ、TDK、アドバンテスト、ファナック、京セラ、ホンダ、キヤノン、東京エレクトロン、KDDI、ソフトバンクなどです。
ここに挙げた12銘柄だけで、日経平均株価の30%以上を構成しています。
そして、これらの銘柄のチャートをみると、大部分が右肩上がりの強い株価の動きであることがわかります。
こうした事実から考えると、日経平均株価を上げたい、もしくは下げたくない勢力が、日経平均株価の影響度の高い銘柄を買い上げているのかもしれない、と推測できます。

一方、メガバンクや多くの中低位株などは最近さえない動きが続いていますが、こうした銘柄の値動きは日経平均株価にほとんど影響を与えません。メガバンクの株価がいくら下がろうとも、日経平均株価はびくともしないのです。これが日経平均株価のみが頑強な動きなのと対照的に大部分の銘柄の値動きが冴えない理由です。
日経平均株価とともに、主要な株価指数であるTOPIXは、明らかに日経平均株価よりチャートの形が悪いですが、こちらの方が今の株式市場の状態を表しているといってよいでしょう。

筆者の感覚からは、日経平均株価およびの一部の日経平均株価構成銘柄の異様な強さにより、株式市場全体の動きがどうもゆがめられているような気がしてなりません。仮にこのゆがみが是正されるようなことがあれば、日経平均株価が急落、ということも大いに考えられます。日経平均株価とTOPIX、どちらの動きが正しいのか、遠くない将来に結果が出るように思います。
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