Nicholas Goold
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ニックはシドニー、ロンドン、ニューヨークそして東京で20年以上のトレーディング経験を持つプロトレーダーです。投資銀行や自己勘定取引をする会社、そして自己資金と幅広くトレーダーとして活躍してました。
ブログ:Turn Trading
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現役プロトレーダー ニックのブログ
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過剰なトレードを抑えることの価値 02月15日
トレードを職業とする場合、世間一般の職業と大きく異なるのは、多くの時間を費やせばより多くの収入を得られる訳ではない、ということである。 トレードでは市場のパターンを見出し、リスク管理のルールを守ることの報酬として、その対価を得ることが可能となる。 トレードは比較的短時間で行える利益性の高い職業と言えるが、一方でトレードをし過ぎることで非常に多くの問題が生じる危険性があることを理解してほしい。
以下はトレードし過ぎないことの利点である。
1.利益が上がるトレードは正しい準備とトレード後の見直しから生まれる
売買システムが著しく進化した今日では、スマホやウェブブラウザその他トレード用ツールを使い、多くの一般のトレーダーが簡単に市場に参入することが可能になっている。 利益を得られるであろう望みと共に、気楽に市場にエントリーすることは容易であるが、それではただ単にギャンブルをしているだけであり、継続的な利益には結びつかない。
トレード後に自分の勝ち、或いは負けトレードから学び、次のトレードを計画する行程を繰り返し行うことによって、トレード行程の向上が望めるのである。
2.失敗や過ちは疲れから生じる
リスク管理ルールを破るということは、負けトレードの一つの要因に挙げられる。 勝率100%の手法を探すトレーダーは後を絶たないが、正直、時間の無駄であると言いたい。 その代わりにマーケットの変化に対応することが可能で、かつ継続的に利益を上げられる手法を探すべきだ。
過剰トレードはトレーダーを疲れさせ、ルールに従うのを困難にさせる。 トレードは心身ともに良い状態で臨むべきであり、その条件が整って初めて、動き続ける市場のプレッシャーと対峙しながら、リスク管理ルールを守ってベストなチャンスを待つことが可能となるのである。
3.市場を観察して学ぶ
一旦ポジションを持ったら損益を見るよりも市場の動きを注視するべきである。 実践においても同様に、含み益や含み損に焦点をあてるべきではないが、結果を気にしてしまうのは誰もが感じるごく自然なことである。 故に新たな値動きのパターンに気づけなかったり、読み取ったりすることが難しいのである。
トレードを実行する為のトレードパターンが現れない場合は、ポジションを持たず、どのような値動きをしているかに集中しながら市場を観察し、新たなトレードパターンが現れるのを待つようにしよう。
4.バランスの取れた生活を送る
トレードは娯楽とも例えられる楽しさがあり、長時間市場を眺め続けることで病みつきになる、常習性の高さに気を付けなければならない。 従って準備をしてトレードに臨む行程は、市場から離れる時間を意図的に作るという重要な意味も持ち合わせている。 市場から離れる時間を作ることによって、トレードを向上させるアイディアを思いつく良い機会ととらえ、また市場と対峙する時間を抑えることで、トレード時には新鮮な気持ちで市場に臨むことが出来るだろう。
5.自分のトレードから学ぶ
自分のトレードを向上させる為に出来ることと言えば、トレード記録の分析に勝るものは無い。
トレーダーが過剰トレードに陥ると、個々のトレードの見直しや分析が難しくなり、何が間違っていたのか、或いは正しかったのか、どうしたら改善できるのかを知る術を放棄してしまうこととなる。
ひとつひとつのトレード毎に、エントリーとエグジットの両方でメモを書き残すことが、技術向上に望ましく、トレード回数が増えれば増えるだけ、その作業が困難になってしまうのである。
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一日のトレードの終わり時を知る 02月15日
一日のトレードの終わり時を知る
いつもメールマガジンを読んで頂き、ありがとうございます。
失敗トレードが週間、或いは月間利益を一日で吹き飛ばし得ることを知っているならば、いつトレードするかではなく、いつトレードを終えるかが如何に重要であるかが理解できるだろう。
継続的なトレードの成功には、自分の戦略と性格を理解すること、それらを通して己をよく知ることこそが、自身のトレード成績を上げ、利益を増やす鍵となるのである。
どのような状況で一日のトレードを終える判断をすべきか、いくつかのヒントを以下に挙げてみよう。
1.普段より長くトレードしている時
市場の動きは一日の中でも時間帯によって大きく異なり、これを知ることはトレードの成功に不可欠である。 そして市場のボラティリティ(値動きの幅がどれくらいあるか)を確認し、順張り、逆張りどちらの手法を用いるかを決めよう。 日々、出来る限り同じ時間帯でトレードを行うと、その時間帯における市場の値動きを知り、慣れることが出来る為、トレードの練習に望ましい。 ふだんより自分が長くトレードしていると感じたら(殆どの場合、損失を取り返そうとしている場合が多い)、更なる損失を積み上げるのではなく、今日のトレードを終えて翌日の準備に充てるなり、他の事をするなりしよう。
2.トレード以外の事柄(仕事やプライベート)に気持ちが向いている時
トレードを失敗せずに遂行する為には100%集中することが大切である。
仕事やプライベートで気になることがあり、トレードへの集中をそがれる状況においては、一旦休憩を取り、気になる事を片付けよう。 気がそれた状態でのトレードは大きな損失に繋がるミスを生みやすい。
3.集中出来ない時
トレード中に疲れを感じたときは損失を被るリスクがとても高くなる。 集中が切れた時は直ぐに5分、10分の短い休憩を取り、状態が良くなるか確かめよう。もしそれでも集中するのが難しく感じた場合は今日のトレードを終了し、翌日の準備をするか、トレードから離れよう。
4.簡単に利益を得られた時
トレードで大きな損失を受ける要因のひとつは自信過剰である。
出来の良いトレードで簡単に利益を得た後は普段行う準備作業をしない、或いは損切り設定を省いてしまうことさえ有るかも知れない。
満足する利益を得たトレードの後は、一旦5分から10分の休憩を取り、前回の利益を忘れてトレードを再スタートしよう。 それでももし、通常の行うべき準備作業をせずにトレードしそうになる、又は次のトレードに集中できないと感じた場合は、今日の仕事(トレード)はここまで、と限を付けて楽しい時間を過ごそう。
5.市場がいつもと異なる状況の時
誰も100%の確率で利益を得られないのと同様、市場を100%正確に予測することは出来ない。トレーダーは皆、市場と対峙する際には何処でポジションを取り(エントリー)、何処で決済(エクジット)するかを決める戦略を持って臨むべきである。
自分のトレードに自信を持っているにもかかわらず、もし、価格が自分の期待していなかった方向へ動いているならば、自分の感を信じてトレードしない方が良い。
自分のトレードプランを実行するには、自信を持つことが大事なので、もし市場の値動きを見て難しいと感じた時は無理にトレードせずに、この先自分の戦略をどう修正したいかを考えてみるのも良いだろう。
6.一日の損失限度額に達した時
今回のリストの中で最も重要な点である。 経験に関わらず如何なるトレーダーも必ず一日の損失限度額を設定し、達した場合はトレードを終了しなければならない。
損失を被っても、目の前の市場にはそれを取り替えせるチャンスが常にあるので、諦めたくない気持ちになるのは当然である。 しかし、一度損失を被ると、多少なりとも自信を失うことから、結果的に次の判断力が鈍ってしまうのだ。 自分が利益を得る日の平均的な損切り幅をきちんと設定してさえいれば、被った損失はこの先の良いトレード一日で簡単に取り返すことが出来るだろう。
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