古代ギリシャでは、人生の苦難を不屈の努力と気力で克服するためにストア哲学が生まれた。
これらはけっして教室や書斎で生まれたものではない。
人生という過酷な戦場から得られた教訓の集大成なのである。
それは時代を超えて私たちに語りかけてくる。
本書には困難を乗り越えた偉人たちが数多く登場する。
吃音に苦しんだトーマス・ジェファーソン(アメリカ独立宣言を起草)
うつ病と闘いながら幾多の苦境を耐え抜いたリンカーン、
大恐慌の混乱のなかで成功の礎を築いた石油王ロックフェラー
ほかにも発明王エジソン、身体が弱かったルーズベルト、スティーブ・ジョブズ、バラク・オバマ、シリコンバレーの起業家等々、時代を超えた先人の英知に学び、偉業をなしとげた人物ばかりだ。
また差別という逆境を乗り越え、偉大な人間として成長した人々もいる。
終身刑の冤罪を着せられた黒人ボクサーのルービン・カーター(映画「ハリケーン」でも知られる)や、多くの名言を残したテニスプレイヤーのアーサー・アッシュなどだ。
現代人は敵対するものがなくなった代わりに、心の緊張を抱え、
仕事のストレスに悩むようになった。
うまくいかない原因は、上司や経済や政治家のせいにしたり、
自分はだめな奴だと決めつけて、その結果何もしない。
でも、本当の原因は一つしかない。自分の考え方や態度だ。
本書は、私たちが人生で遭遇する逆境を乗り越えるための金言にあふれている。
それはストア派の哲人にとどまらず、その英知に感化された国の指導者や経営者であったりする。
もしあなたがやる気を喪失し、自分の将来に不安を抱えているなら。
あるいは些細なことに悩み、心が挫折しそうなら、
本書を読むことで、ネガティブな状況の背後にあるプラスの側面を発見でき
新たな人生の道筋が見えてくるはずだ。
●「自然はそれに従うことによってのみ征服できる」
――フランシス・ベーコン(哲学者・神学者)
●「悪い企業は危機によって淘汰され、良い企業は生き残る。偉大な企業は危機によって成長を遂げる」
――アンディ・グローブ(インテルの元CEO)
●「山の向こうにはまた山がある」
(ハイチのことわざ)
●「ビジネスチャンスとはバスのようなものだ。何度でも次がやってくる」。
――リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループの創設者)
●ジョブズはナポレオンのようだ。ナポレオンもアルプス越えを前に兵士たちにこう叫んだ。
「アルプスはないものと思え!」。
●「賢明な者には、不測の事態など起こらない」
――セネカ(政治家・哲学者・作家)
●「つらい経験から、なすべきことが分かる」
――ベンジャミン・フランクリン(政治家・物理学者)
●敗北とは何か? それは教訓にほかならない。前に進むための輝かしい一歩だ。
――ウェンデル・フィリップス(アメリカの社会改革者)
●問題とは本気になって力を出し切るチャンス。
――デューク・エリントン(ジャズピアニスト・作曲家)
●良いも悪いも本人の考え方次第。
――シェイクスピア(劇作家・詩人)
●恐れを思慮深さに、痛みを変化の力に、失敗をはじまりの契機に、願望を実行に変えることのできる人。それがストア派の人々だ。
――ナシーム・ニコラス・タレブ(哲学者・作家)
●天才とは、心に思ったことを実現できる能力のことだ。それ以外の定義はない。
――F・スコット・フィッツジェラルド(アメリカの小説家)
●何事も正しく行えば、どんなにつまらないことでも気高い行為となる。
――ヘンリー・ロイス(ロールス・ロイスの創業者)
●きうりが苦い? 投げ捨てよ。
道にいばらがある? 迂回せよ。
それだけ知っていれば十分だ。
――マルクス・アウレリウス(ローマ皇帝・ストア派の哲学者)
●賢い人というのは、敵意でさえも見事に利用してしまう。
――プルタルコス(古代ギリシャの哲学者)
●偉大な人物とは、チャンスを待つのではなく、つかみにいくものだ。チャンスを包囲し、征服し、従僕にしてしまう。
――E・H・チェイピン(アメリカの牧師で著述家)
●栄光の道も行き着く先は墓場。
――トーマス・グレイ(イギリスの詩人)